らくらく健康コラム67

「健康を高める」とは?

~できることや生活の選択肢を広げる、健康増進の考え方~

1.健康を守り、生活に活かす

これまでの「らくらく健康コラム」では、食事・運動・睡眠・排泄・ストレスなど、健康の土台を守るための基本をお伝えしてきました。

こうした土台を整え、日々の生活の中で維持していくことは、健康づくりの基本です。

では、健康の土台を守ることができたら、次は何を考えればよいのでしょうか。

健康の土台は、守るだけでなく、生活の中で活かすことも大切です。今ある力を上手に使い、体を動かしたり、頭を使ったり、新しいことを試したりしながら、できることや生活の選択肢を少しずつ広げていく。これが、今回から考えていく「健康増進」です。

ただし、健康維持を終えて、次の段階へ進むわけではありません。健康の土台を守りながら、必要な力を育て、生活に活かしていくことが大切です。

健康を守り、生活に活かすイラスト

2.健康を三つの面から考える

健康には、大きく分けて「身体的な健康」「精神的な健康」「社会的な健康」という三つの面があります。

身体的な健康とは、体の状態を整え、日常生活に必要な活動を行えることです。

精神的な健康とは、気持ちを整え、自分や周囲のことを考えられる余裕を持てることです。ただし、いつも心に余裕がある必要はありません。つらいときに休む、予定を調整する、誰かに相談するといった対応ができることも大切です。

社会的な健康とは、人や社会とつながり、必要な支援を受けながら、自分に合った役割や居場所を持てることです。家庭や地域などで「誰かの役に立っている」と感じられることも、社会的な健康を支える一つの要素になります。

ただし、多くの人と関わることや、大きな成果を上げることが健康の条件ではありません。望む関わり方や役割は一人ひとり異なります。

この三つは別々のものではありません。体が動きやすくなれば外出しやすくなり、人との交流が気持ちの張りにつながることもあります。それぞれが影響し合いながら、私たちの生活を支えています。

身体的・精神的・社会的な健康を表すイラスト

3.今ある力を使い、必要な力を育てる

健康増進について考えるときは、「今ある力を使うこと」と「必要な力を育てること」の二つに分けると分かりやすくなります。

一つ目は、今ある心と体の力を生活の中で上手に使うことです。体の動かし方を工夫したり、道具や周囲の支援を活用したり、活動しやすい環境を整えたりすることで、できることが広がる場合があります。

二つ目は、望む生活に必要な力を少しずつ育てることです。体を動かす力、考える力、複数のことに注意を向ける力などを、自分に合った方法で高めていきます。

ただし、力を高めること自体が目的ではありません。「何を高めるか」だけでなく、「それを何のために使いたいのか」を考えることが大切です。

今ある力を使い、必要な力を育てるイラスト

4.やってみる・様子を見る・休む

今よりできることを増やすには、体を動かす、頭を使う、新しい活動を試すなど、いつもより少し頑張る場面も必要です。

しかし、難しいことや大変なことほど、効果が高いわけではありません。頑張りすぎると、疲労や痛みなどによって、かえって健康の土台を崩してしまうことがあります。

大切なのは、行った内容だけでなく、その後の体調や気持ちまで確かめることです。

負担が大きいと感じたときは、時間、回数、難しさなどを減らしたり、一度休んだりします。無理なく行えた場合は、様子を見ながら少しずつ内容を変えていきます。

そして、活動を終えた後は、心と体を休ませ、次の活動に備えます。休むことも健康増進の中断ではなく、大切な流れの一部です。

強い不調がある場合や、活動によって症状が悪化する場合は、無理に続けず、医療機関や専門家に相談しましょう。

やってみる・様子を見る・休む流れを表すイラスト

5.できることを生活につなげる

健康増進の目的は、いつまでも若くいることや、体力や能力を高め続けることではありません。

大切なのは、高めた力を何に活かし、どのような生活を送りたいのかを考えることです。

自分で買い物に行く、趣味を楽しむ、家庭や地域で役割を持つ、人との交流を続けるなど、望む生活は一人ひとり異なります。自分に余裕が生まれることで周囲に目を向けたり、誰かを支えたりできることもあります。

また、できることを増やす方法は、本人の力を高めることだけではありません。周囲の支援や道具を活用し、生活しやすい環境を整えることでも、選択肢は広がります。

周囲と比べたり、完璧を目指したりする必要はありません。「どのような生活を送りたいか」「そのために何が必要か」を考え、今できることから一つずつ積み重ねることが大切です。

できることを生活につなげるイラスト

コメント

タイトルとURLをコピーしました